裁判の傍聴に行ってきた。現役警察官の証言が音声で流されるというから、これは画期的だと思い、久しぶりに霞ヶ関の東京地裁に出向いた。
霞ヶ関駅はそれなりに重要な駅だと思うが、無機的で薄暗い。まぁ遊びに来る所ではないし、主に役人や裁判関係者が利用する駅だから、愛想がなくても構わないわけだが。
裁判は人種差別的職務質問の、不当性を訴えるものである。私は日頃から、警察官の外国人に対する態度に腹を立てているので、これは見逃せないと思ったのだ。傍聴席は八割がた埋まっていた。
警察官の証言は具体的で、生々しいものだった。そもそも職質にノルマがあるのが問題で、数をこなし、かつ成果を上げるには外国人に多く職質することになる。
もともと、外国人を潜在的に犯罪者とみなしているのである。これはネトウヨに通じる感覚だ。署内では、外国人を差別的な隠語で呼んでいるという。
人種差別的職務質問は、外見のみを理由として行われる。だから日本生まれでも日本国籍を持っていても対象となる。結果として何も問題がなかった場合、それはお声がけだったということで不問になる。
そう言えば高市政権は、ナフサ不足を表明した企業には聴き取りを行なったということになっている。実質脅しなのに、得意な言い換えだ。どんなに急いでいても、遅れられない用事があっても、職質はお構いなしだ。抵抗すれば逮捕である。
娘の知り合いのクルド人女性は、大学の入学式に行く途中に職質された。中東系の若い女性がスーツを着ていたから、特殊詐欺への関与を疑われたのである。
クルド人女性が大学に入るのは大変だ。そういう環境ではないから意欲を持つのも大変だし、日本人に混じって入試を受け、合格するのも大変なのである。
彼女が大学進学は、クルド人コミュニティの若い女性たちにとって大きなニュースだった。それが入学式に行く途中で職質に遭ったのである。幸い彼女は楽天的な気性で、入学式で日本人の友達を作り、楽しそうに通っているが。
私はその話を聞いた時、暗澹たる気持ちになった。そもそも、職質にノルマがあるのが問題では、悪しき組織の論理である。上位にいる若いキャリアが、出世のために成果を求めているからだ。
若いキャリア幹部のノンキャリいじめもひどい。大田区に住んでいた時、近くにあった田園調布警察署で、2ヶ月で2人のノンキャリが自殺した。父親ぐらいのベテランをパワハラで追い詰めたのだ。こういう事例は全国で起きている。
その理由はだいたい同じで、報告書に不備があるというものだ。受験巧者は、異常なまでの書類作成能力を持っている。
それを振りかざして完璧な書類を求め、人前で罵倒するのである。こんな階級組織では、人件感覚など求める方が無理だ。

