岸田首相が、ウクライナのキーウを訪問した。岸田首相は、見ていて恥ずかしいぐらい広島サミットの「成功」に取り憑かれている。カウントダウンの表示版まで作るという浮かれぶり。もちろん、そんなことをした主催国は今までにない。
そもそもG7は、1973年に起きたオイルショックへの対応を協議するために始まったものだ。今や大して重要でもなく、アメリカが「同志国」の結束を確認する場になっている。そんなG7首脳國会議の「成功」とは何なのか。まずそこを問いたいところだ。
もっとも岸田首相にとっての成功とは何なのかは、はっきりしている。アジアで唯一の参加国という過去の栄光に浸り、事前準備に駆け回って親分のアメリカに褒めてもらい、並みいる先進国首脳をもてなし、記念撮影の中心になることだ。
岸田首相は最初から広島サミットに照準を合わせて、総裁選に立候補したと思う。何しろ広島出身が売りなのだ。日本の没落を決定づけた安倍首相、東京五輪を強行した陰険な菅首相の次が岸田首相で、広島サミットとぶつかったことは日本にとって実に不幸だった。
岸田首相は広島サミット成功のため、党内タカ派と財務省の言いなりになっているからだ。おかげでドン底に落ちた日本経済が、底を割ってさらに落ち続けている。国民の不安は増すばかりだ。それなのに岸田首相は選挙前のバラ撒き以外、何もしない。経済が上向く要素も全くない。
そんな中で岸田首相はウクライナに行った。議長国なのに行っていないのでは、広島サミットでの存在感に影響する。しかも習近平がウクライナ入りしている。岸田首相はどうしても行かなくてはならなかった。
そして予想通り連帯と支援を表明した。しかし本来、日本の首相が行くなら停戦を訴えるべきだった。それが広島出身の首相が取るべき行動だったはずである。
岸田首相の行動は結果として、アメリカの代弁者であることを改めて世界に示すことになった。しかも広島名産の必勝しゃもじを贈ったというのだから、穴があったら入りたいぐらいだ。
それなのにマスコミはウクライナ訪問を、意義あることのように受け止めている。野党も国会の事前承認という方法論にこだわっている。問題の本質がボケている。嘆いても仕方ないかもしれないが。
おそらく、広島サミット後は岸田おろしが始まるだろう。しかし、後釜を狙っているのが歩くパワハラ茂木幹事長、八王子のヤンキー荻生田政調会長、自己顕示欲の塊の河野太郎だデジタル担当大臣だなんて。