予期せぬ出来事が起きた。整理だんすのつまみが取れたのだ。何とか嵌め込んで、気をつけながら使おうと思うが。

 

 そこで考えてみた。この整理だんすは半世紀以上使っている。宮田家具で買った。愛用されている方には申し訳ないが、ニトリやイケアの家具が半世紀持つだろうか。

 

 宮田家具は中間層向けの、しっかりした家具を扱っていた。当時の日本は、こういう物を作っていたのである。しかし、グローバル化に焦って生産拠点を海外に移し、さらにアメリカの経営手法を真似てダメになっていった。

 

 グローバル化の波が来る度に自分を見失うのが、日本人の悪い癖だ。島国でのんびり暮らしているから、変化の波が来ると慌ててしまうのだろう。日本犬も明治維新で洋犬が入ってきて、30年で絶滅の危機に瀕した。洋犬至上主義に陥り、日本人自身が日本犬を見下すようになったからである。

 

 今、政治も経済もドン底になって、「日本は終わり」論が沸騰している。こういう時こそ自分を見失わないことが大切だ。捨て鉢になってはいけない。グローバル化に振り回されてはいけない。冷静に客観的に情勢を見て、次の戦略を練ることだ。ま、自民党独裁である限り、やれることは限られているが。