ときめきが続く、お花の定期便bloomee(ブルーミー)

 

 眞子さん小室さん騒ぎも、いよいよクライマックスに向かっている。26日に結婚会見が行われたら、一体どんな騒ぎになることやら。小室さんが乗った飛行機が到着した時にはテレビに速報が出て、以後は二人の一挙手一投足がニュースになっている。

 

 ネットでも連日、二人の情報が流れている。無理もない。100年に一度の大ネタだ。週刊誌もネットニュースも稼ぎ時である。記者会見で眞子さんが感極まって涙を流し、小室さんがハンカチで拭いてあげたりしたら、別の意味でまた大騒ぎになるだろう。だから敢えて、その前に書いている。

 

 最近は二人への批判や中傷が過激化し、デモまで起きた。あまりのひどさに擁護論が出てきて、「結婚は個人の自由」「批判中傷は単なる焼きもち」という言説も目につくようになった。もちろん結婚は自由だ。

 

 しかし、嫉妬だというのは少し違うと思う。確かに、10年近くにわたるアベノミクスで日本経済は衰退、国力が落ちて格差が広がり、中間層も没落して国民生活は苦しくなる一方だ。人間、ゆとりがなくなると嫉妬深くなる。税金で生活し、経済的支援を受けつづける二人へに反感を持つ人も少なくない。

 

 しかし、ネットに誹謗中傷を書き込むのは少数派だ。多くの人は、釈然としない気持ちを抱きつつ沈黙している。そして、結婚するなら幸せになってもらいたいと考えているのである。

 

 問題は、そう考えている人も心のどこかで、釈然としない気持ちを抱いていることだ。導火線は母親の借金トラブルだった。しかしそれがなくても、小室さんへの潜在的な違和感が広がっていたことだろう。

 

 私自身について言えば、特に資産家ではない独り親家庭で育ったのに、どうして人並み以上の教育を受けられたのだろうと、不思議に思った。私の周囲にも、そういう感想を持った人は多かったのである。

 

 週刊誌記者も疑問に思ったからこそ、そこを突っ込んだのではないだろうか。母親の借金トラブルは導火線に過ぎない。以後は出てくる出てくる、あまり聞かないような話がいっぱい出てきたのである。そのネタで4年間、週刊誌やネットニュースは商売をすることができたわけだ。

 

 ひとことで言えば、小室さん親子は生々しいのである。俗っぽいのだ。この俗っぽさこそ、多くの人が何となく違和感を感じている理由だ。そしてこの生々しさと俗っぽさは、国民が皇室に抱いていたイメージを壊す結果となったのである。

 

 そのイメージとは、皇室の人間はガツガツせず、穏やかで上品で、欲にまみれた巷の喧騒とは無縁だというものだ。それは仮想に基づく幻想に過ぎない。しかし日本社会は、大統領制をとるアメリカや韓国と違って、今のところそういう幻想が必要なのが実態だ。

 

 権力が腐敗し欲にまみれ、アベノミクスが推進した過酷な弱肉強食社会に翻弄されていても、その上に、それとは無縁の最高権威としての皇室がある。これが日本社会のガス抜きというか、安定剤になっている。

 

 それが善悪を超えた「統合の象徴」であり、最後には全て曖昧になる戦後日本の本質につながっている。それは現上皇が、常に国民に寄りそう努力を続けてきた成果でもある。それを小室親子と眞子さんが壊した。そう感じている人は少なくない。

 

 週刊誌が伝えてきたことが、どこまで真実かはわからない。ただその行動を見ていると、小室さんがかなり変わった人間であることは確かなようだ。そもそも皇族と結婚しようとすれば、普通はまず安定した仕事と収入を得てからにするだろう。第一、皇族との結婚は面倒で、一族郎党を巻き込む。だから普通は避ける。

 

 何を考えているのかわからない正体不明の感じが、小室さんには常につきまとっている。謎が多いのである。そして、その謎の言動の裏に眞子さんがいたということが、多くの人びとを驚かせた。

 

 何かと派手で目立ち、おしゃれとダンスに夢中という印象の妹とは違い、眞子さんは地味だが堅実だと思われていた。その「皇族の模範」が謎の多い人間に助言していたことも、皇室のイメージというか、幻想を砕いてしまったのだ。

 

 眞子さんは中学校を卒業する時、将来の夢を「日本画の修復」だと述べていた。あまりにも地味で誰もやらないような、でも重要な仕事である。私は好感を持った。是非、夢を叶えてもらいたいと思った。

 

 一方、私は小室さんに上昇志向しか感じない。実際、上昇志向以外に何があるのかわからない。ニューヨークの企業弁護士をめざしたのにも失望した。ニューヨークの企業弁護士なんて金の亡者である。日本人が考える弁護士とは全く違う。

 

 小室さんがレポートを書くために、調査を行った時の英語音声を聞いた。中身は「ファンドは、どの時点でスタートアップ企業に資金を出すべきか」である。こういうことを日夜考えるのが、ニューヨークの企業弁護士である。

 

 実を言うと、私が小室さんに最初に違和感を抱いたのは、婚約内定会見を見た時である。その中で座右の銘を「Let it be」だと言っていた。しかも、その部分を母言語者(ネイティブスピーカー)のような発音で言ったのである。

 

 私はその時点で失望した。私はそういうことをする人間を何人も知っているが、みんな軽い人間で、しかもアメリカかぶれである。「軽薄」の二文字が私の頭に浮かんだ。

 

 後で学校時代に、いじめグループにいたという情報が流れた時、妙に納得してしまった。むしろ弱者の立場を理解できそうなものなのに、なぜか逆の立場にいたわけだ。自分が弱い立場に立たないためか、勝ち組意識を持っていたのかわからないが。

 

 以後、私は眞子さんの将来に嫌な予感を抱いた。究極のお嬢様である眞子さんが、こういう不思議な人間に惹かれる気持ちもわかる。昔から、よくある話だ。自分と正反対の環境で育った人間に魅力を感じるのだろう。皇室に必死で適応してきた紀子さんを、体面ばかり気にする人間として嫌っている可能性もある。

 

 総じて小室さんは悪意があるのではなく、ちょっと変わった鈍感な人なのだろう。

そして何かが欠落している感じがする。共感力というか、想像力というか。母親から、ひたすら階級上昇を期待されて育ったせいだろうか。

 

 婚約内定後、小室さんの人生は順風満帆だ。小室さんは宮内庁に「支援はいらない。放っておいてくれ」と言っているらしい。宮内庁も秋篠宮も、誰が支援しているのかわからないそうだが、皇室につながりたい人間はいくらでもいる。つまり支援者はいくらでもいるということだ。すでにニューヨーク日本人会会長が、全面支援に動いているらしい。

 

 もう20年ぐらい前だったか、偽有栖川宮詐欺というものがあった。大正時代に廃止された有栖川宮の子孫だと偽って、ボロ儲けをしていた男女がいたのである。あちこちから声がかかって、多くの収入を得ていた。

 

 彼らは服役したが、出所してまた同じことをしている。被害届が出ていないせいか、もう捜査もされていない。周囲の人間もまた、恩恵に預かって、利益を得ているのだろう。かくのごとく、皇族の威光は絶大なのだ。

 

 しかも眞子さんは単なる元皇族ではない。将来の天皇の姉である。その夫ともなれば周囲が放っておかない。一生安泰だ。むしろ今後、利用されないか心配である。ともあれ、もうこの二人のニュースは必要ない。世の中、もっと重要なことがたくさんあるのだから。