写真はスポニチより
今店頭にある「女性自身」の12月1日・8日合併号に、胸が潰れるような記事が載っていた。三浦春馬の納骨が、まだできないというのである。実の両親が遺産相続で争っていて、納骨どころではないというのだ。
本当に財産をめぐって争っているのかどうか、確かめる術はない。しかし、もともと不和で離婚したのだから、そういう話し合いも手続きも進まないだろうことは想像に難くない。お墓をどこに建てるのか、誰が納骨するのか。距離のある元夫婦が息子の納骨をするのは難しいのである。
アメリカのメジャーリーグでもプレーした、伊良部秀輝選手を覚えているだろうか。引退後の2011年にロスアンゼルスで自殺した。事業の失敗、妻との不仲、将来への不安などが原因とされている。
そみずから命を絶ったことだけでも驚きだったが、さらに衝撃だったのは、妻が遺体の引き取りを拒否したため、四十九日を待たずに、係累のいない無縁仏となってしまったのである。つまりお墓もなく、多くの無縁仏と共に収められている。
実母が春馬くんに経済的に依存していたのは、有名な話である。まだ二十歳の春馬くん名義で家を建て、その後も度々お金の無心に来て、勝手に事務所に出演料を上げる交渉をしたり、借金の申し込みをしていたという。知りたくなかった話だ。
それが嫌で、春馬くんは実母との連絡を遮断した。その後、久し振りに実父に再会し、和やかに語り合うようになったのも束の間、またも経済的支援を頼まれたという。「結局カネかよ」と、春馬くんは絶望したということである。
芸能人として成功した子どもに、経済的に依存する親は多い。そしてたいてい、家族は崩壊する。例えば坂上忍。坂上にはアンチが多いが、さんざん親にたかられた気の毒な半生だった。
ギャンブル好きで、作家になるという夢が捨て切れない父親のために、坂上は出版社を設立する。父親は、そこから売れない本を出し続け、ギャンブルでも借金を重ねた。やがて両親は離婚。坂上は借金返済のため、中学で止める予定だった俳優の仕事を、延々と続けなければならなかったのだ。
それにしても、春馬くんの遺骨は今どこにあるのだろうか。いまだに弔う場所もないのである。親とは何だろうか、考えさせられる。