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 イギリスの研究誌「ネイチャー」が発表している世界の大学研究力ランキングで、日本の大学が初めてトップ10から陥落した。東大でさえ11位で、他にトップ50位に入っているのは京大の37位だけになった。

 

 ここ数年、こうなるだろうということは多くの人が予想していたが、実際にそうなると寂しい話である。今後はノーベル賞も遠のいていくことだろう。何しろ第二次安倍政権の7年半、大学への助成金と研究予算は減らされるばかり。

 

 大学は困窮と疲弊を続け、落ち着いて研究できないどころか、安心して生活もできない非正規が増大、早稲田でさえ非正規が教員の半数を超えている。職を得られないポストドクターも増える一方で、自殺者も出ている。

 

 すぐ結果が出ない研究には関心がない安倍政権の浅はかさと、とにかく予算を出さない財務省の「どケチ体質」が理由の一端であることは、既に指摘されている通りだ。しかし、根本的にして最大の理由は別にある。

 

 それはずばり、安倍首相の個人的な劣等感と嫉妬である。そもそも安倍首相ほど、個人的な動機で物事を決める人間はいない。猪瀬元都知事を、東京五輪招致成功の手柄を独占するために追い落とした。河井案里議員の選挙資金として、相場の十倍に当たる1億5000万円を出したのも、対立候補(自民党)が自分を批判したからだった。

 

 安倍首相は知的な人間、勉強ができる人間が大嫌いだ。何しろ勉強が全くできないのである。する気もない。あの世代の大学出なら、誰でも読める漢字も読めない。東大へ行った兄にも劣等感がある。一族の中でも軽んじられてきた。それが成り行きで首相になったのである。

 

 首相になって以降、安倍首相は大学をいじめ抜いてきた。彼らの窮状は快感なのである。さらに人事権を握って、難関大学を出た官僚を支配している。内部に抱えた大きな欠落と空白を、権力を握った全能感で埋めているのだ。独裁者によくあるパターンである。

 

 だから、ノーベル賞受賞者たちがどんなに研究費を増やして欲しいと言っても無視する。受賞が決まった時は、自分の手柄のような顔をしたのにである。山中教授の研究費用さえ、和泉補佐官が不倫相手と押しかけて削減しようとした。今でさえ予算が足りず、山中教授自身が必死で集めているというのに。

 

 それでいてグローバル人材だ何だと言っているから、驚くしかない。そんな矛盾したことがどうして言えるのかと思うが、そういう常識は安倍首相には通用しない。劣等感と嫉妬心と全能感で動いている人間に、まともな理屈は通用しないのである。

 

 安倍首相は日本を土台から掘り崩して、恐ろしいほどの勢いで壊している。支持率を維持するだけのために、自国の通貨を引き下げ続けてきた。そんな安倍首相の周囲に、利権拡大と自己保身しか頭にない人間が集まり、官僚が平伏している。その中に今、黒川検事長が加わろうとしているのだ。