目下私にとって最大の疑問は、どうして西村経済再生大臣が、コロナ対策の先頭に立っているのかということだ。何しろ「経済再生」担当大臣なのである。おかしいだろう。それなのに、このことに触れる人もマスコミもほとんどいない。
西村経済再生大臣が先頭に立っているということは、何を意味するか。ずばり、政府が経済のことしか考えていないということだ。国民の生活や命ではなく、何よりも経済が心配なのである。
何しろ、今までアベノミクス詐欺で相場を人為的に押し上げ、あらゆる数字を操作し、過去最高の好景気だと言い続けてきたのだ。コロナ問題が起きてもなお、外国人観光客の数と経済の数字に傷がつくのを恐れて、ほぼ二ヶ月間何もしなかったのである。
そして周知の通り、過去最大108兆円の対策費の中身も、収束後の景気刺激策だの国立公園の整備費だの、日本の取り組みを世界に紹介するSNS対策だの国際機関への拠出金だのが多くを占めていて、本当に対策にあてる費用は四分の一以下だ。
それを堂々と発表する安倍首相。官僚の書いた原稿を読むだけだし、そもそも中身を理解していたかどうかも怪しい。恐らく今までの人生で、一冊も本を読み通したことがない人間である。
せめて、経済再生担当大臣が前面に立っているのはおかしいと、指摘する識者はいないのか。安倍首相は当初、加藤厚労大臣を前面に出していた。国難だという意識も自分が指揮を取る気もなく、夜は会食を繰り返していた。
そして今は経済再生担当大臣を矢面に立たせ、自分は時々原稿を読むために出てくるだけである。予算をとことん使って国民を救済すれば、日本人はまた頑張って働く。日本人はそういう人々なのである。
しかし政府は国民を信頼していない。国民と共に歩む気持ちもない。愛国心もない。お金を出し惜しんで国民を切り棄てている。経済再生担当大臣を先頭に立たせているのは、そういうことだ。