9月入学がいきなり課題として浮上した。9月入学は合理的で、日本もその方向に向かった方がいいだろう。ただ問題は、熱心に主張しているのが新自由主義者やグローバル化至上主義者ばかりだということだ。
例によってグローバルスタンダードだの、グローバルエリートだのという言葉が飛び交っている。留学生が増えるという声もあるが、9月入学だから日本に来るなんて、何とおめでたい発想だろう。
また留学しやすくなるのは事実としても、高校から外国(と言っても、結局は欧米)の大学へ行くことばかり推進して、日本の大学を見下す風潮は感心できない。明治維新以来、母国語で国を発展させ、ノーベル章も取ってきたのに、先人の苦労を軽んじてばかりいる。
4月入学だからグローバルエリートが出ないというなら、どうしてインドは優秀なIT起業家を輩出しているのか。9月入学は、そういう視点から議論されるべきではない。
あくまで、日本の若者に希望のある未来を保証するために、議論する必要がある。高等教育にかかる負担を軽減するなどの体制を、同時に整えていかなければ、エリートだけに有利な方向になりかねない。