魚クンは悩んでいた。
それは自分が周りの魚達よりとても泥臭く、周りの魚は青い色なのに自分は紅白模様。
魚クンは親から周りから「人間に”美味しい”って食べてもらわなきゃだめよ」って教えられてきた。
そしていざ人間に品定めされたとき、「うわっ!生臭ぇ!」 「なんだこの色食欲そそらんわ」
って買ってもらえなかった。
魚クンは悩みます。そして一念発起します。「今のままじゃだめなんだ、もっと努力して美味しく食べてもらうように
しなくちゃ」と。
だって今のままでいたら美味しく食べられていった先輩魚たちから
「なんでそんな生臭くて泥臭いのに匂いを取る努力しないんだよ?」
「そんなんじゃいつまでたっても美味しくなれないよ?あんたそれでいいの?少し甘えてない」
「人に見向きもされないお前は無価値だ、存在意義がない」
って言われるから・・・・・・・・・。
魚クンは猛烈な努力をします。
鮮やかな色彩の鱗を汗水流してせっせと削ぎ落とし
臭いを克服するため、痛い思いをしながら内臓も取り出し
夜も徹して泥抜きをした。
それでもまだ臭いって先輩たちから怒られた。
「全然臭い取れてないじゃん?今までなにしてたの?ホントに努力してみたの?」
「そんなの全然努力のうちに入ってないよ、考え甘すぎるよ」
「頑張りが足りないんだよ、もっと頑張らなきゃ」って......
「そうかもっと頑張らなきゃいけないのか・・・・」魚クンの努力はまだ続きます。
朝日が昇る前から起きて身を酢漬けにして
昼夜問わず身をすり鉢ですり潰し
「まだだ、まだ努力が足りない・・・・」
皆が寝静まっているときも衣をつけ、高温の油でカラっと揚げてみた
「どう!?もう臭わないでしょ?見た目も気持ち悪くないでしょ?美味しく食べてもらえるようにこんなにがんばったよ、
凄い努力したよ、だから認めてよ!」魚クンは市場に買い物にくる人間たちに必死に訴えました。
もはや原型は留めず、元はなんの魚だったのか、いやこれは魚だったのか?それすらもわからないくらい姿形を変えたのに買い物に来た人間たちは一言、
「これ魚じゃないよね?・・・・」
「私たち新鮮な魚をかいにきたの」
「あなたのそれ・・・ただの肉団子だよね?」
「努力の方向がまちがってるんだよね~」
認めてもらえなかった・・・・あんなに頑張ったのに・・・・・、もう、頑張れないよ・・・・。
魚クンは静かに市場から去り、故郷の川で引きこもってしまいました。
「人に美味しく食べられない、それどころか買ってすらもらえない自分は価値がないんだ・・・・」
「こんなに頑張っても認められない自分は存在する意味がない、生きてても仕方がない」って
ある日、「その鱗、キレイだね」って言ってくれる人間が現れた。
でも魚クンは「鱗がキレイっていわれても喜べないよ、だってみんなこの鱗を見て食欲わかないっていうんだもん」とムスっとします。
その人間はこう答えます「違うよ~、食べるんじゃないよ~。だって食べちゃったらそのきれいで美しい紅白模様の鱗が楽しめないじゃん?」
魚クンは混乱します。
「???どういうこと?魚って美味しく食べられてこそ存在価値があるって言われてきたのに見られるだけで価値があるなんて意味がわからないよ?」
人間はさらに続けます。
「いや~、食べるよりも君がそのキレイな鱗で力強く泳いでいる姿を見てるほうが楽しいよ、私はキレイな魚を”鑑賞”するのが好きなんだ」
魚クンは頭をハンマーで殴られた衝撃を受けました。
だって魚は美味しく”食べられて”ナンボってずーっと言われてきたから・・・
そっか、魅せて楽しませるって生き方もあったんだ・・・
この鱗は魅せて楽しませるために存在してたんだ・・・
そしてこの泥臭さもこの色合い豊かな鱗を維持するために必要だったんだ・・・・・・・・
もう、美味しく食べられようとする生き方は辞めよう・・・・・・
この鱗を美しいって、見てるのが楽しいって言ってくれるそんな魚になろう!
こうして魚クンの鑑賞用としての第二の人生(?)が始まる。
それは自分が周りの魚達よりとても泥臭く、周りの魚は青い色なのに自分は紅白模様。
魚クンは親から周りから「人間に”美味しい”って食べてもらわなきゃだめよ」って教えられてきた。
そしていざ人間に品定めされたとき、「うわっ!生臭ぇ!」 「なんだこの色食欲そそらんわ」
って買ってもらえなかった。
魚クンは悩みます。そして一念発起します。「今のままじゃだめなんだ、もっと努力して美味しく食べてもらうように
しなくちゃ」と。
だって今のままでいたら美味しく食べられていった先輩魚たちから
「なんでそんな生臭くて泥臭いのに匂いを取る努力しないんだよ?」
「そんなんじゃいつまでたっても美味しくなれないよ?あんたそれでいいの?少し甘えてない」
「人に見向きもされないお前は無価値だ、存在意義がない」
って言われるから・・・・・・・・・。
魚クンは猛烈な努力をします。
鮮やかな色彩の鱗を汗水流してせっせと削ぎ落とし
臭いを克服するため、痛い思いをしながら内臓も取り出し
夜も徹して泥抜きをした。
それでもまだ臭いって先輩たちから怒られた。
「全然臭い取れてないじゃん?今までなにしてたの?ホントに努力してみたの?」
「そんなの全然努力のうちに入ってないよ、考え甘すぎるよ」
「頑張りが足りないんだよ、もっと頑張らなきゃ」って......
「そうかもっと頑張らなきゃいけないのか・・・・」魚クンの努力はまだ続きます。
朝日が昇る前から起きて身を酢漬けにして
昼夜問わず身をすり鉢ですり潰し
「まだだ、まだ努力が足りない・・・・」
皆が寝静まっているときも衣をつけ、高温の油でカラっと揚げてみた
「どう!?もう臭わないでしょ?見た目も気持ち悪くないでしょ?美味しく食べてもらえるようにこんなにがんばったよ、
凄い努力したよ、だから認めてよ!」魚クンは市場に買い物にくる人間たちに必死に訴えました。
もはや原型は留めず、元はなんの魚だったのか、いやこれは魚だったのか?それすらもわからないくらい姿形を変えたのに買い物に来た人間たちは一言、
「これ魚じゃないよね?・・・・」
「私たち新鮮な魚をかいにきたの」
「あなたのそれ・・・ただの肉団子だよね?」
「努力の方向がまちがってるんだよね~」
認めてもらえなかった・・・・あんなに頑張ったのに・・・・・、もう、頑張れないよ・・・・。
魚クンは静かに市場から去り、故郷の川で引きこもってしまいました。
「人に美味しく食べられない、それどころか買ってすらもらえない自分は価値がないんだ・・・・」
「こんなに頑張っても認められない自分は存在する意味がない、生きてても仕方がない」って
ある日、「その鱗、キレイだね」って言ってくれる人間が現れた。
でも魚クンは「鱗がキレイっていわれても喜べないよ、だってみんなこの鱗を見て食欲わかないっていうんだもん」とムスっとします。
その人間はこう答えます「違うよ~、食べるんじゃないよ~。だって食べちゃったらそのきれいで美しい紅白模様の鱗が楽しめないじゃん?」
魚クンは混乱します。
「???どういうこと?魚って美味しく食べられてこそ存在価値があるって言われてきたのに見られるだけで価値があるなんて意味がわからないよ?」
人間はさらに続けます。
「いや~、食べるよりも君がそのキレイな鱗で力強く泳いでいる姿を見てるほうが楽しいよ、私はキレイな魚を”鑑賞”するのが好きなんだ」
魚クンは頭をハンマーで殴られた衝撃を受けました。
だって魚は美味しく”食べられて”ナンボってずーっと言われてきたから・・・
そっか、魅せて楽しませるって生き方もあったんだ・・・
この鱗は魅せて楽しませるために存在してたんだ・・・
そしてこの泥臭さもこの色合い豊かな鱗を維持するために必要だったんだ・・・・・・・・
もう、美味しく食べられようとする生き方は辞めよう・・・・・・
この鱗を美しいって、見てるのが楽しいって言ってくれるそんな魚になろう!
こうして魚クンの鑑賞用としての第二の人生(?)が始まる。