実話・ボディコン事件
ちょっといろいろあってくたびれているし(その話はまたします)、外では台風が荒れ狂っているしで、法人営業を語る気になれないので、バカ話します。予想以上に好評だった「外資系企業の真実」続編、すぐまたやります。
【ここから本編】
大学時代の話。
サークルの飲み会が終わり、皆が店の前でウダウダしていた時のこと。ほら、あるでしょ?誰かが次行く人?って仕切らないかなと、みんなでタラタラ待っている時間が。
今では死語になってしまったが、当時はボディコン(写真のイメージ)全盛で一学年上のK子先輩もビシッと決めていた。ぴったりした白い服を幅広の赤いベルトでぎゅっと締めている。当時はお世辞にもスレンダーとは言い難かったため、あれに王冠つけたらチャンピオンベルトだと、陰口たたく奴もいた。
事件が起きた時、ぼくは酔っぱらったK子先輩の隣にいた。なぜか二人だけ、皆から少し離れた場所にいたように思う。
先輩はぼくの軽口にケタケタ笑いながら、何かを拾おうとしたのか、ちょっとかがんだ。その時。
バチン!というすごい音がした。
ベルトが飛んでいる。赤いベルトが。締めつけたベルトは無理な姿勢に絶えきれず、ついにはじけ飛んだのだ。
ベルトは上空1メートルぐらいのところをぐるぐるまわりながら浮いていた。滞空時間はたっぷり2秒はあったと思う。
そしてベルトはふわりと着地した。固まっているK子さん。ぼくはつい、余計なことを言ってしまった。
「先輩、締めすぎるから......」
その瞬間、K子さんは、ギャーッと絶叫した。一斉にこちらを見るサークルの仲間たち。
ぼくは、K子さんの見事な回し蹴りを浴びてしまった。彼女は地面のベルトをつかむと、ものすごいスピードで夜の闇へ走り去った。
それ以来、ぼくはK子さんに会っていない。
卒業してから20年以上がたつが、いまだに繁華街で赤いベルトを持って走るボディコン女を見たという噂を聞く。もし、あなたがそんな女性を目にしたら。
それ、ぼくの先輩ですから。