猫、はじめてのおつかい
これは、まだうちの猫が元気だった時の話。これ
と比べると、まだほのぼのしてますわな。
土曜日、休日なのにめちゃめちゃ忙しかった。決められた時間までにあれとこれとそれをしなくてはならなかったのである。
あわてて支度し、いざ外出しようとして、はたと思い出した。いかん、今日はうちの猫の散髪の日だった...。外出先の予定ともろにダブルブッキングである。
猫を丸刈りにするとは可哀想...なんて言ってはいけない。 これは、ぼくと猫が共生するため必要最低限の処置なのだ。こいつはたちの悪い長毛で、本当に再現なく毛が伸びる。放っておくと、ホームレスのオランウータンのような姿になってしまう。
部屋の中は毛だらけとなり、毛に引っかかったトイレの砂があっちこっちにまき散らされるのだ。ぼくは、動物を触ると必ず石鹸で手を洗うという神経質なところもあり、その状態は到底耐えられるものではない。
だから季節に一回はトリミングをやっているペットショップに猫を連れて行き、丸刈りにするのだ。人間の3回分の散髪代を払ってね。
猫にとっても、長毛のままでスーツ姿のぼくにすり寄って「うわー毛がつく!!あっち行け、ボケ!」などと怒鳴られるよりましだろう。
で、その通算17回目の散髪を土曜の午後に予約していたのだが、どう考えてもその時間にショップへは行けなかった。ぼくは玄関で熟考した後、猫を呼んだ。
「猫くん、ちょっと」
すぐにトコトコとやって来る猫。会社の部下より素直だ。 あれ、まだ行かないんですかという顔をしている。
「おまえ、今日散髪なんだけどな...」
ギクリとして、後ずさりする猫。
「俺、送って行けないから、おまえ自分で行ってこい」
ポカンとしている。
「何回も行ってるから、場所わかるだろ。ほら、釣りはちゃんと寄こせよ」
ぼくは、ちゃぶ台に一万円札を置くと、家を後にした。猫は無茶言うなとニャンニャン騒いでいたが、放っておいた。
夕方、何とか無事に用事をすませ、クタクタになって帰宅した。ドアを開けると、丸坊主の猫がいた。本当に自分で散髪に行ってきたのだ。ちゃぶ台の上にはお釣りの千円札がきっちり数枚置いてあった。
ペットショップは車で10分の距離にある。どうやって行ったのかわからない。歩き?まさか、電車?それよりも、ドアにはいつも通り鍵をかけていったよな。猫、おまえマジシャンか? 店では、ペットの理容師さんにどうやって注文したのだろうか?
理容師さん「いつも通りでいいですか?」
猫「ニャー」
とかいった会話が交わされたのだろうか?
冷蔵庫を開けると、入れた覚えの無いコンビニの袋が置いてあった。中には、ぼくの好物のプリンが入っている。袋の脇には小さなメモが置いてあり、こう書いてあった。
『これ、あたしのおごり』
猫にプリンをおごってもらったのは初めてだ。
土曜日、休日なのにめちゃめちゃ忙しかった。決められた時間までにあれとこれとそれをしなくてはならなかったのである。
あわてて支度し、いざ外出しようとして、はたと思い出した。いかん、今日はうちの猫の散髪の日だった...。外出先の予定ともろにダブルブッキングである。
猫を丸刈りにするとは可哀想...なんて言ってはいけない。 これは、ぼくと猫が共生するため必要最低限の処置なのだ。こいつはたちの悪い長毛で、本当に再現なく毛が伸びる。放っておくと、ホームレスのオランウータンのような姿になってしまう。
部屋の中は毛だらけとなり、毛に引っかかったトイレの砂があっちこっちにまき散らされるのだ。ぼくは、動物を触ると必ず石鹸で手を洗うという神経質なところもあり、その状態は到底耐えられるものではない。
だから季節に一回はトリミングをやっているペットショップに猫を連れて行き、丸刈りにするのだ。人間の3回分の散髪代を払ってね。
猫にとっても、長毛のままでスーツ姿のぼくにすり寄って「うわー毛がつく!!あっち行け、ボケ!」などと怒鳴られるよりましだろう。
で、その通算17回目の散髪を土曜の午後に予約していたのだが、どう考えてもその時間にショップへは行けなかった。ぼくは玄関で熟考した後、猫を呼んだ。
「猫くん、ちょっと」
すぐにトコトコとやって来る猫。会社の部下より素直だ。 あれ、まだ行かないんですかという顔をしている。
「おまえ、今日散髪なんだけどな...」
ギクリとして、後ずさりする猫。
「俺、送って行けないから、おまえ自分で行ってこい」
ポカンとしている。
「何回も行ってるから、場所わかるだろ。ほら、釣りはちゃんと寄こせよ」
ぼくは、ちゃぶ台に一万円札を置くと、家を後にした。猫は無茶言うなとニャンニャン騒いでいたが、放っておいた。
夕方、何とか無事に用事をすませ、クタクタになって帰宅した。ドアを開けると、丸坊主の猫がいた。本当に自分で散髪に行ってきたのだ。ちゃぶ台の上にはお釣りの千円札がきっちり数枚置いてあった。
ペットショップは車で10分の距離にある。どうやって行ったのかわからない。歩き?まさか、電車?それよりも、ドアにはいつも通り鍵をかけていったよな。猫、おまえマジシャンか? 店では、ペットの理容師さんにどうやって注文したのだろうか?
理容師さん「いつも通りでいいですか?」
猫「ニャー」
とかいった会話が交わされたのだろうか?
冷蔵庫を開けると、入れた覚えの無いコンビニの袋が置いてあった。中には、ぼくの好物のプリンが入っている。袋の脇には小さなメモが置いてあり、こう書いてあった。
『これ、あたしのおごり』
猫にプリンをおごってもらったのは初めてだ。