ちょっと懐かし昭和の思い出話
(サブタイトル)
子供の頃の楽しみは、なんと言って
もテレビ番組に尽きる。特に昭和の時
代は、歌に関わるものが多かった。そ
の中でも特に記憶に残っているのが、
「全日本歌謡選手権」という番組だ。
司会は初代が長沢純さんで2代目が浜
村淳さんであった。軽妙な語り口と、
緊張感のある番組展開についつい引き
込まれていったものだ。この番組は、
プロ、アマ問わず参加できるというの
が売りであった。プロといっても売れ
ていないのだから、素人同然である。
プロ、アマが同じ土俵で競うという設
定に妙に緊張感があった。
番組の進行は単純明快、まずは自分
で選択した曲を歌い、それを審査員が
評価し得点を付けるというものだ。タ
ーンテーブルに乗った挑戦者が最後に
回ってきて70点以上を獲得すると合
格となる運びである。惜しくも70点
に満たなかった者は、中央でターンテ
ーブルが止まらず1回転して帰って行
くという設定なのだ。挑戦者の祈るよ
うな思いが視聴者にヒシヒシと伝わっ
てくる。これが最後のチャンスなんだ
という悲壮感のような切羽詰まったも
のが見ている側に伝わってきた。
(続く)