野生動物のはなし ① | 意地に生きるも男の本懐 なんてね

意地に生きるも男の本懐 なんてね

意味はほとんどない・・・ひとりごと

ちょっと懐かし昭和の思い出話

     (サブタイトル)


田舎に住んでいると、色々な野生動物たち

と遭遇することができる。キツネ、タヌキ、

イタチ、ツチノコ?数えればきりがない。そ

いつらは、普段人間に対しては無関心である

が時々悪さをする。


 キツネは、家の近くの畑に育ったスイカを

荒らしに来たり、家畜を狙ってきたりする。

それも夜も更ける頃に叫びながらやってくる

知らない人は、キツネというのは、「コン!

コン!」とか「ケン!ケン!」と鳴くのだと

思い込んでいる人が多い。


 しかし、実際のメスギツネの鳴き声は、オ

ゾマシイ。


 「ギャーー・・。ギャーー・・。ギャーー

・・。」まさに断末魔の叫びの如く、地獄の

死者がやってきたかのように、家の周りを徘

徊するのだ。キツネに違いないと解っている

のだが、幼い私は外に出て追い払うことがで

きなかった。私だけではない。母も気持ち悪

がって、そのうめき声ともいえるような、叫

び声が遠ざかるのを息を殺し、じっと待って

いた。そいつが、どこかに行ってしまうまで

寝付くこともできはしないのだ。


「近所のおばさんが、キツネに化かされたら

しい」とかいう、実しやかな噂話も後押しし

てキツネの存在は、圧倒的なものであった。


(続く)