ソフトボール部のはなし②-2 | 意地に生きるも男の本懐 なんてね

意地に生きるも男の本懐 なんてね

意味はほとんどない・・・ひとりごと

ちょっと懐かし昭和の思い出話

     (サブタイトル)


(続き)


初めて私が試合に出たのは、レフトの

ポジションであった。「りー、りー、

りー、入ったー」と守備についている

者全員が、ピッチャーが投げたと同時

に叫ぶ。バッターにプレッシャーをか

けてボール球でも降らそうという狙い

があるのだ。ところが舞い上がってし

まった私は、ピッチャーが投げる前か

ら、「入ったー・・。」と叫んだり、

キャッチャーが返球する時「入ったー

・・。」と叫んだり、いったい何が入

ったのか分かったものではない。当然

ながらI先から「何言いよるンかー、

しっかりせー!」と雷が落ちた。



 ますます舞い上がった私は、何か膝

がガクガクして立っているのがやっと

であった。



 悪いことにそんな時、「カキーン」

という乾いた音とともに打球がレフト

の私めがけて飛んできた。私は条件反

射のように思いっきり前進した。・・

と思ったら、打球は私のはるか上を飛

んでいった。バックしなければならな

いところを前進してしまったのだ。

「あちゃー」というみんなの声らしき

ものは、なぜ冷静に聞こえた気がした。



 夏が終わった・・・。甲子園の砂の

代わりに「家の光」という雑誌をもら

って帰った。その後しばらく私のこと

を「バンザイ小僧」と呼ばれたのは言

うまでもない。