RULE | 大陸的F1編集後記

RULE

本日パリより日本に戻る。
相変わらずエールフランスのハンド・バゲージチェックは厳しい。
「ボンジュール、ムッシュー」と満面の笑顔で青年は出迎えてくれた。
そして「東京までですね?」と希望のシートを尋ね「お荷物はお一つですか?」「そうです、チエックインは一つです!」

30キロを若干超える大きなリモワのスーツケースは問題無く通った。
その後、「お手荷物の大きさは問題無いですが、重さを量りたいのですが」ときたので「どうぞ!」と量りに載せると「えっ?21Kg!」
驚愕の表情で「お客様、お手荷物に何を入れられてるのですか?」
言葉遣いはあくまでも慇懃かつ丁寧だが、
その表情からは「何者だ?」という不審げな様子は隠せない。

「中身は機材、カメラですよ」と僕も至極当たり前の顔で答える、
なんせ僕にとってはこんなことは毎度の事なので対応は慣れたもの。
「プロ用の機材なのですか?」彼は表情を変えずに聞いてくる。
「そうです、私はプロの写真家です、荷物が多く重いのも承知しています。
でもだからこそビジネスクラスのチケットを購入してるのです」
すると最初の満面の笑顔に戻って「判りました、そういう事なら構いません」と僕にとっては最高の模範的解答が返ってきた。しかし手荷物は8キロまでと規約に書いてあるのに
またそれはセキュリティー上の問題でだと言われた事があるのだが。

「オーバー・ルール」もしくはルールの拡大解釈。
これは時と場合によってありがたくもあり、困ってしまう事も多い。
サッカー主審が誤審をしたと裁定を受け、国際試合の資格剥奪となった。
国と国の争いとも言えるワールドカップは代理戦争みたいなものだから、
これは仕方のない事かもしれない。

翻ってF1だが、その主審とも言えるFIAが、
何とも言えない裁定やルールを次々と打ち出している。

タイヤメーカーのワンメイク化、エンジンの規制。
本来、技術開発の競争の舞台でもあったグランプリが、
いつの間にか制限だらけの見せ物に成り下がったのだろうか。
スピードが危険?だったらレース自体を止めればいい、
資源保護?だったらタイヤだけではなく、燃料も制限すれば?
ドライバーのもらう桁外れの高額なギャラは、
彼らの背負ってる「命」を賭けるというリスクへの対価だ。
危険だからといって、F1ドライバーを止めるヤツはいないと思うが...

全てにおいて最高のカテゴリーがFormula Oneだとする僕の解釈は間違いか?
F1に規制はいらない!最高のモノにはお金がかかるのは当たり前で、
嫌なら止めればいいだけのこと。
新しいテクノロジーを導入して何がいけないのか?
僕には納得がいかない。