こっからは余談みたいなもんで、スルーしてもらってもいい。
警察からなんやかんや聞かれたうえで宿の連絡先を教えて、俺らは帰された。
あとでニュースを見たら、大阪のおっさんが九州で殺した学生をその山に埋めた
ってことになってた。

その後、地元に戻ってから、新聞にこの事件のことがのってたんで読んだ。
おっさんは、九州で女を殺したあと死体をバッグに詰め込んで、大阪まで新幹線
に乗って移動してレンタカーで山へ向かい、そこで死体を埋めたらしい。
この記事を読んでまたゾワッとした。

死体が見つかる2週間くらい前、俺らがあの山で仕事し始めた頃のこと。
山の奥に入る林道の入り口にあるゲート(一般の車が入らないようになってる)
の前に車が停まってて、横におっさんがボンヤリ立ってた。
車が通るのに邪魔だったんで、助手席のじいさんが降りておっさんと話をして相
手の車を脇に寄せさせた。

その際、かなり長い間喋ってたんで、戻って来たじいさんに「なに話してたの?」
と尋ねた。

「おっさんがさ『車で入れないか?』って聞くから『ここから奥は仕事する人以
外は通っちゃダメなんだ』と言ったらさ『大事なものを運ばないといけないから、
ここへ車を停めて歩いて行く』って言うんだよ。『乗せてってやろうか?』って
聞いたんだけど『約束だから一人で行く』ってさ。こんなとこで誰に会うのかね」



俺、山で仕事してるんだけど、今まで一番ゾワッとした話でさ。

何年か前、大阪と奈良の境にある山で間伐の仕事してたんだ。
ろくに手入れしてない山だったからツルとか巻き付いてて、それを手ノコでバラ
したりして大変な現場だったんだけど、ある場所でチェーンソー使ってたら人の
声みたいなのが聞こえた。
でも、チェーンソー使ってる時って結構そういうのがあって、あれは音の周波数
の関係だって言ってたっけ。

それはともかく、その時はなんか気配みたいなのも感じて後ろを見たんだけど、
別に何もなかった。
だけど、そういう気配というか違和感みたいなのはその日の作業中ずっと背中に
貼りついてた。
仕事終わって道端で着替えしてたら、一緒に働いてるじいさんが話しかけてきた。
「今日結構チェン止めてたけど、調子悪いのか?」

「いや、なんとなく後ろが気になってさ。気配っていうかさ、なんか変な感じ」
「ふーん。いや、俺も何となく誰かに見られてるような感じがしてたんだけどな」
なんだ、じいさんもかよ、あそこ何かあるのかな~とか思ったけど、その後は別
に何事もなくて、山を下りて宿に帰って普通に飯食って寝た。
で、翌日。

別の現場の仕事を終えて車で山を下っている途中、道端に車が何台も停まってる
のが見えた。
パトカーも混じってて、何だろと思ってスピード緩めたら止められて職質された。
何でも、俺らが昨日働いてた現場近くで女の死体が発見されたとのこと。
昨日のことはその時点まで忘れてたんだけど、警察から話を聞いて思い出して、
まずゾワッとした。



当然、事件の後オッサンの残された家族は夜逃げ同然に引っ越してちゃった訳よ

んで何が気味悪いって今日タバコ買いに近所のコンビニ行ったらさ、そのオッサンの元嫁に10年弱振りに会って声かけられたのよ

元嫁さんが変わりすぎてて、最初誰だか分からなかった
かなりふくよかな体型だったのに骨と皮しか残ってないと思うくらい痩せこけてて目の隈がすごくてさ・・

こんな偶然あるんだろうか?