そいつも「もし、旅かな?」って聞いてくる。また頷いたらそのままどっかへ行った。
からわれてるのかなんなのか分からないけど、もうダメだここは、離れよう。そう思った。
けど、テントの外は月明かりも無いような暗黒世界で、おまけに変質者が二人もうろついてる。
でた矢先に包丁でグサーとか怖いこと想像して30分くらい悩んだあげく、でることにした。
護身用にマグライトを装備して恐る恐る外にでると誰もいない。今のうちだと猛スピードでテントの片付けを開始した。
そしたら終わる頃になって二人がまた近づいて来たんだよ。俺が心臓バクバクさせてテント片付けてる横から
「帰るのかい?まだ夜なのに」って声かけてくる。
「ええ、まあ急用思い出しまして」と答えつつも荷物をバイクにくくりつけて
それじゃあとオッサン達のほうにライトを向けたら、光が何か変。途中で途切れてる。
なんじゃこらあと後ろの方を良く見たら全長4mくらいありそうな黒衣が、屈んでオッサンと爺さんを動かしてる。
あの顔の垂れみたいなのの奥に目を光らせながら口モゴモゴさせて喋ってたんだ。
短い命だったな・・・とか思ってる暇も無くバイクに跨って逃げた。
そのまま麓にある神社に転がり込んで迷惑にならないだろうところにテントはって寝た。
翌朝、なんか騒がしくて目が覚めたらちょうどチャックが開くところを見てしまって、まさか追いかけてきたのかと
絶望的な気分になったが、神主がここにテント張るなっと怒鳴ってただけだった。
かくかくしかじかって訳なんですよ、と話すと
「あーそれあそこの山の神様だからどうにもできないよー。でも良かったね神様に会えて。
僕は見たことないけど、たまに見たって言う人いるんだよねー」と。なんかイラッとする口調だった。
害は無いらしいからそのまま帰ってきた。
害が無いとかそういう問題じゃない。あんなもの野放しにされたらたまったもんじゃない