俺と友達は放置して先を行こうとした瞬間、またまた木の実が上から落ちてきた。俺はすぐに
狸の方を見ると何故か再び近づき様子を伺った。多分夫婦なんだろう。片一方が傷口を一生懸命舐めていた。

いつもなら何とも思わず「淘汰淘汰w残念狸さんww」とか言いながら放置して行くんだけど
何故かこの時だけは変に優しい気持ちになり二匹に手を差し伸べ捕まえる事が出来た。

友達は「喰うの?」とか言われたけど俺にはそんな気持ちひとつもなかった。
狸に効くかわからないけど自分用の消毒液を傷口に塗り、抱っこして歩くのも厳しかったので一匹を友達の
リュックの中に、怪我をしている方を俺のリュックの中に入れ予定を変え下山した。

山を降りてすぐに町の動物病院に連れて行ったら医者がもう少し遅ければ死んでいたと教えてくれた。
その後二匹は怪我の具合が良くなるまで俺の家で保護する事した。

そして数日後、すっかり良くなったのか走り回れるようになっていた。狸って鰯喰うって初めて知った。
さすがにずっと居られては困ると思い、「そろりとお前等自分の山に帰るか?」と冗談に声をかけた。

翌日、仕事を終えて二匹分の鰯を買って家に帰ったら二匹とも居なくなっていた。慌てて探したけれど
どこにも居なかった。残ったのは大量の鰯だけ。それからまた数日経って狸二匹が居なくなったと同時にもう一つ無くなっていた物に気付いた。それは俺の給料が入る通帳とそのはんこ。
通帳とはんこはすぐに再発行してもらったが今でも数ヶ月に一回、いつの間にか窓口で数百円がおろされている。
あいつら・・・鰯が相当気に入ったのかな?