外で遊んでいた娘が、飛行機の音に驚いて急に家へ駆け込んできたことがある。
しばらく私にしがみついて離れなかったが、音が聞こえなくなると空を見上げて
「○○ちゃん(私の名前)怖かったねぇ。あんなのがたくさん飛んでいる中を一緒に逃げたっけ」と言い出した。亡くなった母そっくりの口調で。
さらにその内容は、何十年も昔に体験した空襲の記憶を私にはっきりと蘇らせた。
母と手を握り合って逃げ惑った光景を。
幼少時の人間には前世の記憶が残っている場合がある、と聞いたことがあるが、だとしたら娘は、母の生まれかわりなのだと思う。
そして母が魂だけでも娘に宿って私の側にいてくれると考えると、私はなんだかうれしい。