1月初旬、川沿いにあった巨石の上にミカンが落ちていた。
(置いてあるという感じだったけど…)

砂地に足跡が無かったから、誰かの忘れモノではないだろう。
頭上を見上げてみても柑橘系の植物はなかった。
(あんなクソ寒い山奥でミカンがなるはずがない)

神様のモノだろうと思い、元に戻して歩き去ろうとすると“ぼてっ”という音がした。
振り返ると、さっきのミカンが転がっている。

「…これは食ってけってことか? ありがとうございます。いただきます」

甘酸っぱくて美味しかった。