しかし曽祖父は気丈を装って言いました。
「こうなったらじたばたしても仕方ない。
とりあえず今日はここで野営して、また明日本部を目指そう。なあに、朝になって太陽が出れば方角が分かるわ。」
曽祖父の空元気溢れる発言を受けた隊員たちでしたが、バレバレの空元気では勇気付けられるはずも無く、その場に腰を下ろして、口数も少なく持っていた食料をポリポリかじっていたそうです。
曽祖父も同じように食料を口にしていた時、隊員のひとりが
「たっ、たっ、隊長っ……」と、
密林の向こうを指差しながら大慌てで曽祖父の方に駆けよって来ました。
指差す方を見ると、何やら暗がりの中で黄色の明かりがユラーリユラーリと揺れている。
夜目の遠目ではっきりとはわからないが、目測では大きさ30センチくらいか。
「…敵……!?」
隊員達に緊張感が漂いました。
もしあれが敵部隊のライトだったら…こんな状態で戦闘になったら…。
そう思うと心臓は駿馬のひづめの様に拍を打ち、冷や汗は滝のようにいくらでも出てきます。