帰り支度を整えて振り向くと、道が・・・ない!
先ほど登ってきた道・・・そこには苔むした岩と老木が、まるで何十年もそこにあるように道を塞いでいた。
半ばパニックになりながら別の道を探した。
下流を向いて左側の岩伝いに、何とか下の淵へ行けそうである。
躊躇なく岩に飛びつき、足場を確認しながら下流へ向かうことにした。
少し進むと、「お ~ い」と頭の上の方から声が聞こえた。
歩を止めて上を見るが、崖の上に人の姿はないようだ。
もっとよく見ようと少し戻り、頭上に張り出した木の根を掴んだ。
その瞬間!!
「おいっ!!」
背後からの大きな声が・・・
そして自分が掴まっていた岩が足場ごと岩盤から剥がれた。
「ドガガァァァァン・・・」
岩は大きな音を立てながら淵の中に落下していった。