「入るぞ」2:雷鳥さん安堵の溜息を吐きはしたが、言葉を口に出すのが恐ろしかった。 どこかでアレが聞いているような気がして。 声を出して会話すると、またアレが声を掛けてくるような気がして。 闇の中から。 取り敢えず筆談で意思疎通し、交代で番をしながら寝ることにした。 無事に夜が明けてから、やっと声が出せたのだそうだ。 「何だったんだ、アレ!?」 答えは見つからず、その日のうちに強行軍で山を下りたのだという。