安堵の溜息を吐きはしたが、言葉を口に出すのが恐ろしかった。

どこかでアレが聞いているような気がして。
声を出して会話すると、またアレが声を掛けてくるような気がして。
闇の中から。

取り敢えず筆談で意思疎通し、交代で番をしながら寝ることにした。
無事に夜が明けてから、やっと声が出せたのだそうだ。
「何だったんだ、アレ!?」

答えは見つからず、その日のうちに強行軍で山を下りたのだという。