同級生の話。
部活の帰り道、薄暗い里道を一人歩いていた。
何気なく目をやった山の斜面に、古びて苔生した石段が伸びている。
「あれ? こんな所に山へ入る口なんて無かったはずだけど」
どこへ続いているんだろうと興味を覚え、その石段を登り始めた。
中程まで達した辺りで、突然足下の固い感触が消失した。
慌てたが踏ん張ることも出来ずに、そのまま道の面まで転がり落ちてしまう。
痛てて、と身体の彼方此方をさすりながら、石段の方を見上げてみた。
石段などどこにも見当たらず、斜面は一面の熊笹で覆われていたという。