その日も朝から、箱を見せてもらえるように頼んでいました。
祖父は嫌々承諾し、見せてもらえることになりました。
ただし、父だけで私や母には絶対に見せないということでした。
私は、元々骨董品には興味はないのですが、祖父があれだけ嫌がった品が何か見たいと思ったので、「えー、私も見たい」と言うと、普段は孫に甘い祖父が怖い顔で「ダメだ」とそっけなく言うと父と蔵の中に入って行きました。
しばらくして帰ってきた父に「何だったの?」と聞くと、「『スヘイ』と言うものらしい」とだけ答えると後はなぜか黙りこんでしまいました。
その後、母はあの箱について話したことを、祖父にこっぴどく怒られたそうです。
この数年あと、父と母は離婚してしまい(あの箱のことは特に関係はありません)、私は父に引き取られました。
そのため、母との思い出を話すことは意識的に避けていたのですが、この前、なにかの拍子にあの箱を見たときの話になりました。
父「すごい冷たい。あと女が見たり、触ったら良くない事が起きる。ってお父さんは言っていた。」