両親に紹介するため彼女を連れて実家に帰ったときのことです。
僕と彼女は、普段は使われていない離れに泊まることになりました。
僕達が泊まることになった離れは、僕の両親が結婚した時に「同居の上に寝室も同じ家の中にあると息がつまるだろう」と祖父母が気を使って建てたものでした。
この離れは、一応家の体裁は取っていますが、風呂もトイレもついておらず、6畳の和室と、その部屋と襖で仕切られた簡単な台所がついているだけの、本当にただ寝るためだけの建物です。
僕が子供の頃は、昼間忍び込んで遊ぶことは時々ありましたが、夜をここで明かすのはこの晩が初めてのことでした。
僕達はその晩、夜11時ぐらいまで母屋で過ごした後、離れに移動しました。
6畳の和室の中央には布団が二組、頭側を台所に通じる襖に向けて敷かれており、足側には母が以前使っていた鏡台がポツンと置いてありました。
僕達は、鏡台の近くに持ってきた荷物を置くと、すぐに床につきました。