知り合いの話。
山で仕事をしていて、少し転寝をしたのだという。
ほんの軽い昼寝のつもりだったのに、目を覚ますと既に日が傾いていた。
慌てて身を起こした時、身体の異変に気がついた。
ひどくだるい。
手足が重く、立ち上がろうとすると目が眩む。
息を整えているうち、脇腹が血で濡れているのに気が付いた。
服を捲り上げると、牛乳瓶の口ほどの大きさの痣が出来ている。
何かに強く吸い付かれたようで、皮膚が所々破れて血が滲んでいた。
「チスイヘビってのがあの山には出ると聞いたことがあったけど、
アレはそれに吸い付かれた痕だったのかいな?」
二人で焼肉を食べた際、彼はレバーを頬張りながらそんな話をしてくれた。