慌てて缶の中を改めた。
中にあったのは、丁度彼が購入した数より一つ少ない、魚の頭。
鼻管に下がっている分を加えると、数がピタリと一致する。
…やられた、化かされた…
爆釣してるように惑わされて、その間に友鮎を全部喰われちまった。
その時程がっかりした出来事は、これまでの人生で体験しなかったという。
しばらく後に、顔見知りの釣り仲間にこの話をしてみた。
「○○岩の下に行ったンか。そりゃ場所が悪い。
あっこには鮎狐ってのががいて、魚はそれこそ根こそぎ盗まれんだヨ。
頭だけ残してくってのが、また小馬鹿にしてるよな」
そう聞かされて、再びがっくり来たのだそうだ。