私は、馬場君に…

「とにかく命にかかわることだから、引っ越しを第一優先しろ。死んでからでは、音楽活動もできないぞ。ここにいる内は、全てが裏目裏目にまわるから何も成功しない。おれも、もうここには来ないぞ。来たら最後かもしれん。今度会うのは、お祓いに行く時だからな」

と釘を刺しました。

そしてさらに30分ほど引っ越しの際の諸注意をし、帰途につきました。

立ち去る際、家から10mほど離れたところで、九字を切りました。
振り返ると、例の立ち枯れの木が妙にゆらゆら揺れていました。

この後、2ヵ月を待たずに彼等は転居、つまり脱走に漕ぎ着けました。
幾らかは借金が残ったそうですが、大事に至らずに何よりでした。

しかし、バンドは解散しました。
葉山君は別のバンドへ参加し、馬場君とベーシストの後藤君は新たなバンド結成へと動きだしました。

ここで、気になることがあります……。

葉山君と郁恵さんを除いた関係者全員が、わたしの目の前でお祓いを受けました。
しかしその2人だけは、別の所(神社らしい)に行って祓ったそうです。

その後、彼等とは縁がないので、きちっと切れたのかどうかはわかりません。
まあ、悪い噂も聞こえては来ないので、死んだりはしていないでしょう。

問題は…葉山君がどれほど郁恵さんに食われるか……です。
ナンマンダブ…。完!