私の自宅で最も頻繁だったのは、弟の部屋です。
誰も居ないはずなのに、人の気配がする。ぼそぼそと話し声が聞こえたこともあります。

何等かの関連がある浮遊霊のようでした。電灯をつけたり、「帰れ」と念じたりするとすぐに消えました。
週に1、2度そんなことがありました。

また、私が行(読経)をしていると、背後に気配がする…。
しかも鳥肌が立つような気配がする…ということが数回ありました。

これは「本体」(親玉)でなく、付属霊(手下)のようです。
気合いを入れて行を続けるとその内に消えました。

お帰り願っただけで、決して浄化しようとしたわけではありません。
この様な付属霊だけなら、なんとかなるのですが、手を出すと芋蔓式に出てきますから、いずれ「本体」と接触しかねません。浄化などとんでもないことです。

悪影響は茅野君にも及びました。
彼が仕事から帰って、うとうとしていると、自分が畳の上に座っている感じがしたそうです。
いやーーな感じだと思った時、周りの様子が見えてきました。
どうも馬場君が語った夢の中に出てくる、あの座敷のようです。

茅野君は、少女が現れ、やがて恐ろしい母親が出てくることを予想しました。
ところが……その気配はありません。

これは夢だから覚めなくては…しばらく、そう考えているうち…。
ついに…座敷の奥の方から、近付いてくる足音が聞こえてきました。