ほどなく、帰り道で正午をむかえました。
昼食のため彼は適当な場所を探すと、座れそうな倒木をみつけました。ここで座って食事となりました。
リュックからパンと麦茶を取り出します。
もぐもぐごくりとやっていたところ、突然あしもとに気配を感じました。
みると子ギツネが二匹、靴にじゃれついていました。
どうやら倒木の根元に巣穴があるらしく、そこから出てきたようだ。
まだ産まれてまもないのだろうか、ころころのもはもはである。
パンをひとつまみして子ギツネにあたえてみると、ひと嗅ぎしてむさぼる。
サバ缶も開けてあたえてみると、なかなかの食いつきであった。
そのとき、横目に映った。
しまった油断しすぎた。
約5m先のやぶからヒグマが現れた。
風下から接近されたので、臭いで気づくことができなかった。
しかも成獣だ。
銃は手元にはない。
一足等の距離にあるが動けない。
いや、動いてはいけないのである。
急激な動作はヒグマを刺激する。
この距離で飛びかかってきたら、銃を手にした時にはズタズタにされる。
それ以前に弾がこめられていない。左胸ポケットに四発おさまっている。
まず目が離せない。
ヒグマもこちらに目を合わせいる。
子ギツネがキューと鳴く。
まずい(冷や汗)
そのとき、いきなり背後に気配を感じた。