その辺りでは、「定刻の針の上に訪れる者は禍を連れてくる」という言い伝えがあった。

ほんの数十年前までは、俺達と似た体験をしたなんて話も多かったそうで、帰ってこられた人もいるし、定刻のバスに乗ったまま行方不明の人もいるんだとか。

助かるのは普通敬虔なキリスト教徒だけだから、俺達が助かったのは、実に運が良かったと言われた。

なんでも、大抵のスピリットは火を嫌うから、煙草を吸う人間を自分達の乗り物に乗せておきたくなかった。

また、ハリエニシダ(俺達が乗り越えた生垣のトゲトゲ)は、昔から魔除けになるといわれているから、生垣を乗り越えてきたのもよかったのかもしれない、と。

なんで非喫煙家のくせに煙草吸おうとしたのか、また、無茶して生垣乗り越えたりしたのかAに聞いたが、
「すごい偶然でしたね(`・ω・´)ノノノシシ!」ということらしい。

ちなみに、タコ殴りにされたというのに、俺達二人とも引っ掻き傷や小さな痣位しかなく、
生垣を超えた際の傷のほうが酷かった。