子供のころ両親が共働きで、うちには幼い俺を世話してくれてた、佐々間のおばちゃんと言う人が居た。

おばちゃんはちょっと頭が良くなかったせいか、仕事は持たず、自分ちの畑とうちのお手伝いで食ってるようだった。

おばちゃんの仕事は、学校から帰ってきた俺にご飯を作ることと、家の掃除洗濯、あと体が弱く入退院を繰り返してた、婆ちゃんの介護だった。

ある日俺が学校から帰ってくると、珍しくおばちゃんは居なかった。

変わりに、いつも寝たきりの婆ちゃんが起きていて、居間でお茶を飲んでいた。
おばちゃんが家に居るのが普通だったので、お婆ちゃんに今日はおばちゃんは?と聞くと、
今日はまだ来ていないよと言って、俺を二階に閉じ込めるように押し込んだ。

今日は誰が来ても降りてきちゃいけないよと言って、お菓子とぽんジュースを渡された。
誰が来てもって誰が来ても?と聞くと、お婆ちゃんは少し困ったような顔でそうだよと言い、
シーっねと口に指を当てながら、ふすまを閉めた。