僕が、紐で結んだバケツで海水を汲んで水換えをしていると、
Nが「あれ?みて!見て!」と峰ノ州の方を指差す。
「何?」僕はバケツの紐を引きながら、峰ノ州を見た。
「!!」
例の二人組みが、僕らから見てありえない場所、海の上に立っている。更にその先に歩いてる様にも見えた。
点の様にしか見えない2人だが、だんだん小さくなっていくのが判る。
遠くに移動していると言うよりも、沈んで行ってるように見える。事実、上半身しか見えない。
点の片方が、振り向いたのが見えた。ハッキリしないが、慌てて戻ってるようだ。
もう一人は、まだ振り向かない。
僕とNは多分、家を出る前の爺さんの言葉を思い出していたと思う。
僕とNは黙って、手元の道具を片付けながら様子を見守った。
一人はもう、頭だけになった。そして潜るように消えた。