「うちの地元じゃ、首吊り狸ってのが出るんだと。
狸囃子を人に聞かせては山奥へ誘い出し、首を吊らせるっていうんだ。
狸って呼んではいるが、まぁモノノケの一種だな」
「金気の刃物が苦手らしくてね。
こっちが刃物持ってるぞーってアピールすると、とっとと退散するらしい。
だから地の者は山に入る時、各人が刃を持って行くようにしてる」
「よくそんな所に出入りしてたねぇ」
呆れ顔でそう言う私に、彼らは平然と口を揃えて言った。
「いや、ちゃんと決まり事を守ってさえいれば何も起こらないし。
実際に首吊ったって奴なんかも、聞いたことないしな」
何とも不思議な感じを抱いた飲み会だった。