友人の話。

高校生の時分に仲間三人で、山に星を見に行った帰り道のことだ。

ダラダラと駄弁りながら歩いていると、トンネルが見えてきた。
「そういや、ここって出ると噂されているよな」
一人が面白そうにそう言う。

「行きも通ったけど何も出なかっただろうが」
そう詰まらなそうに返すもう一人の声を聞きながら、暗いトンネルに入った。
古い隧道であまり整備もされていないので、中に灯りはない。
懐中電灯を頼りに足を進めていく。

…何かおかしい。

それほど長くないトンネルの筈なのに、何時まで経っても向こうの出口が見えてこない。
他の二人はそのことに気が付いているのかいないのか、中に入ってからはずっと黙りこくったままだ。

やがてトンネルが二股に分かれた場所で立ち止まった。
古い煉瓦とコンクリートで作られた壁の奥は真っ暗で、照らしてみてもその先が見えない。

「ここ、一本道だったよな」
自分の声が震えているのがわかる。