友人の話。

山でほだ木拾いをしていると、背後で大きな音がした。

 どっすん!

次いで腹の底に響く地響き。瞬間、一気に背筋が寒くなる。
尋常でない雰囲気にピクリとも動けずにいると、すぐ後ろから声が掛けられた。

 何だ、こちらを見てはくれないのか?

からかうような笑いが聞こえるや否や、背後の気配はフッと消え失せた。
ゆっくりと振り返ってみたが、もうそこには何もいなかったという。