剣岳の山頂に祠作って荒行してたぐらいだから、どんな小さな山でも修験者が登頂した事の無い山なんて、少なくとも本州
には無いのかも。
30年近く前。夏は婆さんの田舎に遊びに行き、イトコやハトコたちと村の背後に迫る山の中で遊び回るのが恒例だった。
ある夏、それまで道が付いてないため山頂アタックを自然とスルーしてきた村の奥の山に登ってみようという事になった。
地元のイトコたちもノリノリで藪を漕ぎ、2時間ぐらいで山頂に出ると、そこには今にも崩れ落ちそうな石でできた祠があった。なぜか厳粛な気分になった俺らは、丁重にお参りして下山した。
里に降りて晩飯の時に今日の冒険を自慢げに話していると、オヤジさん(婆さんの弟)
の表情が一変「ちょっと本家いってくる!」と家を飛び出し、やがて本家の広い座敷に呼ばれ正座で怒られまくる俺ら6人。
特に年長の本家の兄いは「話を知ってるお前が止めんでどうする!」とビンタを喰らいまくっている。
話を要約すると、俺らが登った山は◯◯と言う名前の山の神さん(名前は忘れた)の住まいで、昔修験者と対決してひどい目にあって以来、その山から降りなくなったが入って来る子供は容赦なく神隠しにしてしまうとの事。現に終戦直後まではよく子供が行方不明になっていたらしい。
翌日、早朝から俺ら6人と各家の代表がその山のふもとまで行き、朝日の黄色い光の中、お酒を山にかけて「申し訳ありませんでした!二度とここに立ち入りません!」
と詫びを入れて取り合ず一件落着。
別に霊的には何も無かったけど、地元民が入るなと言う山には何か逸話があるもんだという一例。