ラガーマンが走った。私には、コマ送りで老人に突進した様に見えた。

やりやがった。こいつは、男の中の男だ。自分の身を危険にさらして我々を助けようしたのだ。
この先、この男には、一生頭が上がらないだろう。

違った。

この男は、我々を置いて一目散に逃げ帰ろうとしたのだ。(全国のラグビー関係者の方ごめんなさい。
こんな書き方をしたらラガーマン全体が、そうなんじゃないかと誤解を生みそうですよね。
断言します。たまたま、この男がラグビーをやっていただけの話なんです。)

突進したかの様に見誤ったのは、老人が立っている方向が、仕事現場の最短距離だったからだ。

しかしこう考える事にした。彼は、最短距離で現場に向かいつつナニカが起こったら老人にタックルを入れるつもりだっただと。 

なにより私には、彼を責める資格など無い。私だって『ブーを喰え』などと念じたのだから。
老人の姿勢は、変わらない。直立不動で立ったまんまだった。チャンス 今しかない。

私と ブーがほぼ同時にラガーマンの通った後を追った。