何年か前、山一つこえたとこにある母方の祖父の持ち山での話
祖父は小さな山を持ってて、そこには栗の木も何本か生えてる
ある日曜朝、無性に栗ご飯が食いたくなって、祖父に電話を入れて栗を拾いに行かせてくれないかと頼んでみた
祖父は快諾してくれたが、西側の斜面だけは危ないから行かないようにと釘を刺された
早速車を走らせ、山近くの空き地に駐車して山に入った
天気もよく、初秋の山の空気が気持ち良かった
一番近くの木へと向かうと、山栗にしては大粒のぷっくりしたヤツがいくつも落ちていた
だが、数は案外少なかった
時季が少し早かったのかもしれないが、どの木も同じように落ちている実は少ない
で、沢山とれると思って大見栄切ってきてしまった俺は、ちょっと引っ込みつかないのもあって行くなと言われていた西側の斜面へと行ってみた
今まで祖父や他の大人たちと来たときも西側の斜面へは行ったことがなかったかが、別の場所から見えるから大体の地形は知ってた
一部崖のようになっていることを除けば至って普通だった
俺のお目当ての物はすぐに見つかった
枝ぶりのいい栗の木がたくさんの毬を吊して生えていた
下に行くと他より一段と大粒の実が、沢山落ちていた
自作のショルダー式の袋はすぐにずっしり重くなって歩きにくいくらいになった
昼も近くなったし、もう帰ろうと思いながら、俺は栗拾いに熱中していた
後一つ、後一つと思いながら拾っていた俺は、気が付くと崖のふちにまで来てしまっていた