暫く無言の状態が続いた。
「俺、ちょっと見てきます」
掲示板を見る。そこには確かに部屋番号が点灯していた。
部屋を覗いてみるが、当然人などいるはずもなくましてメニュー表などが倒れた形跡もない。
「なんともなってなかったです。何だったんでしょうね、あれ」
努めて明るく振舞った。
しかしパートのおばちゃんは少し表情を強張らせながらこんなことを聞いてきた。
「ベル鳴った部屋って、14番じゃない?」
「え……」
なんで、知っているんだろう。
おばちゃん達がいるところから掲示板は見えるはずも無く、俺もどこの部屋から鳴ったなんて言っていないのに。
「……どうして、分かるんですか」
「……この店、たまにこういう風に誰も居ないのにベルが鳴るの。鳴る部屋っていうのが14」
そう言えば、夜バイトの人が言っていた。
誰も居ないはずの部屋で髪の長い女の人を見たことがある、と…。
俺はもう居酒屋を辞めてしまったので確かめる術は無いのだが…