会話が弾んで、時間がたつのも忘れていると
さっきまで、正面を向いていたはずの人形の首がこちらを向いているのに気づきました。

きっと気のせいだと思い、おしゃべりを続けていると、

『ごとっっっ』

不意に、大きな音がして、人形が床にころがりました。
落ちた拍子に首がぽろりともげました。

私は
『あらあら、かわいそうに』
といって、人形の首を手に取りました。

人形の顔を見て叫び声をあげてしまいました。
さっきまで、かわいい顔をしていた人形は、
すっかり人相が変わりすべすべだった肌には深いしわがより、
栗色の長い髪の毛は、ぼさぼさの白髪に、
目はくぼんで、真っ赤に血走った目で私をにらみつけているようでした。

A子さんは
『だから言ったでしょ、今日は機嫌が悪いって..』

ぽつりとつぶやくのを、私は聞きました。