よく人形には魂が宿るといいますよね。
私が体験した話も、そんな人形の話です。

今から数年前、専業主婦をしている私は、
夫を会社に送りだしたあとテレビを見て暇をつぶしていました。
洗濯物をほしながら、そろそろ買い物に出かけようかと思っていると、
隣のB子さんが私に声をかけてきました。

『これから、みんなでA子さんの家におじゃまするんだけど
あなたも一緒に行かない?』

特に用事もなく、退屈していた私は二つ返事で行きますと答えました。

A子さんの家は少し離れた敷地に建っていて、古いけど、大きくてすてきな家です。
借家住まいの私にはうらやましい限りです。

今まで、何度もおじゃましていて私たちは、特に洋風の部屋がお気に入りでした。
私はその部屋でおしゃべりしようと提案すると、みんなも、それがいいと言いました。
すると、A子さんは、

『あそこの部屋は今ちょっと...』
と、困ったような表情をしていたのですが、
すっかりはしゃいでいた私は、お願いしてその部屋で、おしゃべりをすることになりました

その部屋にはいるとき、Aさんは小さい声で何か言いました。
『今日は、機嫌が悪いから....』
私にはそう聞こえました。

その部屋は明るい色の絨毯が敷いてあり、
大きなピアノの上にはかわいいフランス人形がおいてありました。