おばさんの実家が古い仕出し屋で、弟が生まれるんでひと月くらい一人で預けられたことがある。
店は大人ばかりで忙しそうで、敷地の中の探検ばかりしてた。
表が店と母屋で、裏に厨房と蔵と、昔は使用人の部屋で今は倉庫になってる離れがあった。
その離れの隅っこに物置があって、すりガラスの引き戸が必ず少し開いてて
中に皿とかお椀とかがあるのが隙間から見えた。
入ろうしたこともあるんだけど、見た目より重い戸で開けるも閉めるも出来なかった。
そのうち板前のにいちゃんと仲良くなり、気になっていた物置の戸の事を聞いたら
「閉めるとお化けがでるんだよ」と言われて、子供心に嘘だろーと思っていた。
別にその後大したことも無く過ごして家に帰った。
何年かしてから、その店が廃業したとおばから聞いたときに、
そのときの話をしたら、詳しいことを教えてくれた。