山仲間の話。

とある山に一緒に入っている時、その山に伝わる四方山話をしてくれた。

「ここの奥の森でさ、ブツブツと呟く声が聞こえてくることがあるんだって。
 誰か居るのかと踏み込んでみると、ボロボロのシャレコウベが落ちているんだと。
 そしてその髑髏の内側で、紫の蛇みたいな物がのたうっているとか」

「更に近よってみると、それって実は蛇じゃなく、太くヌラヌラした舌なんだと。
 で、それほど側によると髑髏が何をくっちゃべっているのか聞き取れるとか。
 何でも、これから起こる色々な悪い出来事を予言しているっていう話だ。
 爺様連中はカタリって呼んでるらしい。
 とんだ語り部が居たモンだ」
「上手く使えば、これからの災難を避けて通ることが出来るそうなんだが、これが
 聞き続けていると、最後にあることを述べてから押し黙っちゃうんだとか。
 そうなると、もう髑髏は何も喋らない。
 あっという間に崩れて失くなる。
 見掛けたら避けろ関わるなって、散々そう聞かされたモンだよ」

カタリが最後に述べる事柄って一体何なんだい? 気になって聞いてみた。

「運悪くそこに居合わせた奴の、命日だってさ」

辟易とした顔でそう教えてくれた。