知り合いの話。

彼は時々、子供会のキャンプで引率を担当している。

使っているキャンプ場には大きなトイレがあるのだが、そこで奇怪な体験をしたという。
小用を足していると、古風な小便器が舌足らずな声を発したのだ。

 甘~い!

驚いて辺りを探ったのだが、その時便所の周りには彼しか居なかったそうだ。
不気味に思ったが、声の内容が気になってしまい、山から帰ると病院で診断を受けた。
軽度の糖尿病だという結果が出た。

「軽い運動と少しの食事制限で対応できるでしょう。
 しかしこの程度なら症状も出ないでしょうに、良く気が付きましたね」

担当医からそう言われたが、事情は一寸説明できなかったそうだ。