草刈り機を持ってきた親父もさすがに参った様子で、とりあえずみんなで母屋の中に入ったんだわ。

すると蜘蛛の巣と虫の死骸とかでえらい騒ぎで、「亀虫」がそこらじゅうにへばりついていた。
臭いし、汚いし、(何で俺がこんなところを片づけなきゃいけないのか…)とすでに憂鬱になっていた。

掃除しようにも、とても一日やそこらで片づく状態じゃなかった。
とりあえず俺は貴重なものが無いか部屋の中を色々探し始めた。
ガスも水道も電気も止まっているから、懐中電灯片手に作業。
でも貴重品があるはずもなく、ほとんど衣類とかゴミばかりだった。
俺は小学生くらいの時にはよく実家で遊んだが、両親が家を新築してすぐに祖父祖母の元を離れたから、
思い出もほとんど無く、写真とか本とかも片っ端からゴミ袋に詰め込んだ。

母屋は築110年以上経っていると聞かされていたから昔は相当立派なものだったと思う。
さらに祖父には弟たちが何人かいたが、祖父を含めてみんな陸軍の将校だった。(みんな戦死したらしい)
壁とかには木銃?みたいなのもかかっていて、まるで戦時中のような古めかしさを感じた。

だから俺はもう部屋の掃除よりもこの家を探検してみたい気持になって裏庭とか、農具の小屋とか、色々見て回り始めた。