兵庫県で聞いた話

ある日、小屋へ向かった女が夜になっても帰って来ませんでした。
不安にかられた子供達が隣家に駆け込んで事情が判ったのですが
既に夜も更けていたので、捜索は明朝ということになりました。

明けた翌朝、数名の男達が女を探すために山に入りました。
炭焼き小屋まで登った村人達がまず見つけたものは
窯の周りの地面を赤黒く濡らした大量の血痕でした。

女と炭を焼いているはずの夫の姿はどこにも見当たらず
大声で名を呼んでも返事はありません。

その時、小屋の近くに生えている大木の梢から
ガサガサと枝の擦れるような音が聞こえてきました。
村人達が音の方向を見上げると、大きな木の梢に
人が二人引っかかっているのが見えました。

おそらくは件の夫婦であろうその人影は
枝の上で横になりダラリと腕を垂らしたまま
どう見ても生きているようには見えません。