山守から聞いた話

冬の間は閉鎖している作業小屋を春になって開けた時のこと。
入口の鍵を外して中に入ると、どこからか電話の呼び出し音が聞こえてきた。

音を手がかりに探すと、泊まり部屋の隅に落ちていた携帯電話が鳴っている。

手を伸ばして取ろうとすると、ピタリと呼び出し音が止んだ。
履歴から掛けなおす気も起こらず、そのまま部屋の隅に転がしておいたが
その小屋には電波が届かないことに気づいた頃には、消えて無くなっていた。