そんなある晩、寝ていたところを携帯の着信音で起こされた。
見れば友人からの電話だ。
寝惚け眼で、どうした?と聞いてみた。

「今ね、さっきね、ついに全身が現れたん!」

興奮した声が耳元で響く。
何故だろう、急に目が冴え、嫌な汗が噴出した。

「それでね、いつものようにトストス歩いて過ぎたんだけど。
 今日は何故か、少し進んだ所でピタッと立ち止まって。
 これまでなかった行動だから、ビックリして動けないでいると、
 いきなりその子が振り向いたんよ!」

「そしたらね、顔がね、顔だけが、皺くちゃのお婆ちゃんだったの!
 背格好は子供なのに。
 ニヤァって気持ち悪い笑み浮かべて、そこでパッと消えちゃった。
 うー、気持ち悪いよー!」

その後も彼女は何か大声で訴えていたが、詳しくは覚えていない。

ただただ、嫌な感じだけが私の背中を這い登ってきた。
とにかく早く会話を終わらせて、その電話を切りたかった。